初めて殺したのは誰だっけ。


























ああ、母さんか―――。
























エドワードたちと一緒に旅をするようになってからしばらくのこと。
彼らの過去について知る機会ができた。
こちらから何かを尋ねたら「等価交換」とかいってこっちのことも話さなきゃいけない。

それはひどく億劫であったし、その前にひどく不都合だった。








エドワードにはジブンを知られたくない










淡々と話し始めた彼を横目に、私は目を閉じる。
ありありと浮かぶその時の光景。
辛かっただろう。
苦しかっただろう。
その身体で一体どれほどの罪を背負ってきたんだ?
だけど、その罪はとても清らかなモノだ。
冷たくなってしまったあなたの手。
だけどどんなものより美しい。





「あの時はただ母さんを生き返らせたかっただけなのにな――。」


悲しく笑うあなたの手を知らずに握り締めた。
こんなに愛しいあなたを、どうして汚すことが出来る?
汚れきったジブンを隠すように涙を流した。
これは本物?
彼への同情?
否、同情なんてありえない。
私はあの人に対して微塵の愛情も持っていなかったから。
これは、きっと。




「なんで泣くんだよ。」








「....きっと、エドの悲しみが連鎖したのよ。」








ああ、なんて汚い嘘。
綺麗なジブンを演じたいだけじゃない。
私が涙した本当の理由。










そ れ は 愚 か な ジ ブ ン の 禊 の た め










(2005/11/05)

sozai:Dear MIZUTAMA