旅立ってどのくらいたったのか分からない。
どれだけお前にあってないのか分からない。
元気でやってるか、なんて在り来たり。
愛してる、とか愛の言葉の一つでも囁いてやるのは柄ではない。
かといって今は何処にいる、なんて事務的なものじゃ味気無い。
早くお前の声が聞きたいのに、変なプライドはそれすら阻む。
何でも良いからお前と線を繋げたいのに。
刹那けたたましく鳴り出した目の前のソレはオレを驚かすには十分過ぎた。
出ても良いだろうかと思ったが回りにこの家の主人らしき影は見当たらない。
仕方なく受話器を取ってその旨を伝えようと耳に当てた。
「あっエド?元気だった?ってエドの噂、私のところまで届いてるよ。元気なのは構わないけど無茶しないでね。ん?如何して此処にいるって分かったかって?そんなの簡単です。そのまま回れ右してくれる?」
扉を開けて立っていたのは他でもないお前だった。
「エド久しぶり!愛してるよ」
結局、お前の前にオレの葛藤なんて些細なものでしかないのだ。
遠距離だけど、分かるコト
(2006/03/19)
お題提供:Abandon様『鋼的10のお題』