「如何して連れていってくれなかったの?」
悲痛な面持ちで発せられた言葉は本当に胸に刺さるという表現が当てはまった。
むしろ其れは現実化してぐさりと鈍い音を立ててこの胸に突き刺さってくれても一向に構わない。
それだけお前の顔が、声が、温もりが、涙が、全てがオレを構成するんだ。
そして其のお前という存在がオレの後悔を引き吊り出す。
如何してオレはお前を連れて行かなかったんだ?
(そうすればお前は何時までもオレの隣で笑っていただろう)
泣いてすがるお前は何時も思い浮かぶのにオレが好きだった笑顔は少しも見せてはくれない。
泣いて、泣いて、涙で一杯の瞳でオレに恨みの言葉を投げ掛けてくる。
そんな眼で見ないでくれ。
オレだってお前を連れて行きたかったさ。
だけどお前を連れて行ってお前を喪ったらオレは如何すればいい?
お前を喪った先に何を目指せばいいんだ?
今はただ自分の手でお前を抱き締めることだけ考えるんだ。
(会いたくて仕方ないのはオレだって同じだ)
お前はオレを苦しめて、そうしてオレに向上心を植えつける。
いつか笑顔のお前に会うために。
眼を閉じるたびにオレの脳みそを侵蝕するお前の泣き顔なんざもういらない。
だからお休み、涙に濡れたお前もゆっくり寝ていろ。
夢の中でさえ苛まれる
(2006/03/19)
お題提供:Abandon様『鋼的10のお題』