それは情事後の甘い一時。
気だるい体で抱き合いながら彼女の柔らかな髪をすく。
幸せの再確認。
ふと今までエドワードの胸に顔を埋めていたが顔をあげた。
どこか空を掴むような目で、徐に口を開いた。
「私が他の人と寝たらどうする?」
エドワードはその突拍子もないセリフに大きく目を見開き、すぐに不機嫌を顕著にした。
鋭い目がギロリと睨み、低く重たい声が雫れてくる。
「なんだよお前、浮気する気か?」
「ううん、私はエドだけだよ」
「?じゃあ何でそんなこと……」
彼女の意図が掴めずエドワードの眉間には益々皺が寄った。
はで考えるように、うー、あー、などと言葉を探っている。
そして何か浮かんだのか、小さい声でぽつりぽつりと話し始めた。
「あのね、エドのこと好きよ。とても好きだし、エド以外の人なんて考えられないの。でも、もしエドがいないときにすごく悲しそうな助けて欲しそうな人が私を求めてきたら、わたし、…拒めないかもしれない。だって…今すぐにでも壊れそうな人を突き放したら、その人、ほんとに壊れちゃうでしょ?だからね、もし私がそうやってしまったらエドは私を捨ててしまうかなぁって……」
一息で言い終わって、は静かに目を閉じた。
きっと 拒めない
泣きそうな目ですがるように纏わりつく人を。
軋む右腕を抱えるエドみたいな人を。
一人考えてたの思考を、エドワードの呟きが引き寄せた。
怒ってるかな?と恐る恐る目を開けると、そこには思いの外穏やかな瞳をしたエドワードがいた。
「エ…ド……?」
「はどうして欲しい?」
「どうするって……」
「他の男に抱かれた後、オレにどうして欲しい?」
まさかこんな言葉をエドワードが発するなんて思ってもみなかった。
は瞳をあちこちに揺らして考える。
こんな予期せぬ展開は皆目検討がつかなかったから。
自分はどうして欲しいんだろう。
罵られて、捨てられてしまうよなぁなんてことばかり考えていた。
でも本音はやっぱり捨ててほしくなくて。
ああ あなたはわたしのつみをゆるしてくれるのですか
「愛してほしい」
だって私は貴方を愛しているままだから
「抱き締めて、キスして欲しい」
汚れた体をどうか清めて、貴方色に染め直して
「愛してるって何度も言って欲しい」
その度に私も貴方を愛してるって言うの
「愛してるわ、エドワード」
誰に赦されなくても ただ貴方が赦してくれるのなら
「…ったく、しょうがないのなは」
ちょっと困ったような優しい笑顔。
大好きなエドワード。
なんだかよく分からないけど目頭が熱くなった。
エドワードはそっとフミの頬に手を当てて、甘く体を包むような声で囁く。
「愛してやる。愛して愛して、をまたオレだけのに戻してやるから心配すんな」
そう言って勝ち誇ったように笑うエドはどこか大人で、私は涙を堪えきれなくて。
すがるようにエドワードに纏わりついた。
エドワードはそのままの首もとに顔を埋めて華奢な体を抱き締める。
「お前が人を殺したって他の男になびいたって、オレはお前を離してなんてやんねーよ」
「……うん」
「お前の気がオレから反れる度にまたオレに向かせてやる」
「……うん」
「だから、最後は必ずオレの所に戻って来い」
ゆるされるきがした
譬えどんなに罪深くなったとしても、この人は、エドワードは私を見付けてくれる。
揺るぎない愛をくれる。
漠然とした不安がゆっくりと溶かされてゆく
「大好きよ、エド」
私から落とした口付けは、どこか贖罪のようで、でもそれを飲み込むようなエドワードのお陰で愛しさばかりが溢れてきた。
じっくりと何度も重なる唇がしっとりと濡れてきて、すこし放して視線を交わし、また溺れる。
無言の約束。
貴方という存在でのみ構成されたく存じます